アルパカ堆肥でリンゴ園を健全な土に – 循環型農業のすすめ

農業における有機肥料の活用は、土壌改良や作物の品質向上に直結する重要な取り組みです。
アップルアートが注目しているのが、立科町のALPACAFEのアルパカ糞を活用したアルパカ堆肥です。
一般的な家畜堆肥とは異なる特性を持つアルパカ堆肥は、リンゴ園の果樹栽培においても多くのメリットをもたらします。
本記事では、アルパカ堆肥の成分や作り方、さらにはリンゴ園での活用方法について詳しく解説します。

1. アルパカ糞の成分と特性

アルパカは、南米原産の草食動物で、非常に消化能力の高い胃を持っています。
そのため、排出される糞は微生物に分解されやすい有機物が多く含まれ、臭いも比較的マイルドです。
主な成分は以下の通りです。

有機物:炭素・窒素を含み、土壌に栄養を供給

微量元素:カリウム、リン、カルシウムなど果樹の生育に必要な元素

繊維質:糞の形状がふわふわで、土壌団粒構造の改善に役立つ

微生物:腸内由来の有用菌が含まれることがあり、発酵初期に有効

この特性により、アルパカ堆肥は肥料効果だけでなく土壌改良効果も高いのが大きな特徴です。
特に果樹のように根の健康が収量や品質に直結する作物に適しています。


2. アルパカ堆肥の配合レシピと役割

当農園では、アルパカ糞を単独で使うのではなく、他の有機資材と組み合わせて堆肥化しています。
具体的な配合は以下の通りです。

アルパカ糞:30%

しいたけの廃菌床(トリコデルマ入り):40%

落ち葉:20%

米ぬか:10%

配合材料の役割

アルパカ糞(30%)
中程度の窒素を供給し、発酵のベースとなる有機質を提供

しいたけ廃菌床(40%)
炭素資材として分解されやすく、微生物の住みかとなる

特にトリコデルマ菌は、土壌病害抑制効果が期待できる

落ち葉(20%)
繊維質が多く、土壌の通気性・水持ちの改善に貢献

米ぬか(10%)
糖質・窒素源として発酵促進剤の役割

発酵を活性化させ、微生物活動を増やす

さらに、酵母菌・納豆菌・光合成細菌も適宜投入しています。
これにより、発酵を助けるだけでなく、土壌微生物相の多様性を高め、病害抑制や栄養循環の改善にも寄与します。

酵母菌:糖分を分解し、発酵熱と有機酸を生成

納豆菌(枯草菌):セルロースやタンパク質を分解、発酵完熟を助ける

光合成細菌:有機酸・ビタミンを生成し、アンモニアなどの有害ガスを抑制

3. フレコンバッグでの堆肥管理

アップルアートではフレコンバッグで堆肥を作っています。
アルパカ堆肥の特徴は、フレコンバッグでの長期熟成が可能なことです。
フレコンで管理する利点は以下の通りです。

・大量の堆肥をまとめて管理できる

・外気や雨から一定程度保護できる

・切り返しなしでも、半年〜1年の熟成で堆肥化が可能

ただし注意点もあります。

注意点

通気性の確保
フレコンは空気の流れが弱いため、内部が嫌気状態になりやすい。
→ 竹筒や穴あきパイプを挿入して酸素を供給

水分管理
含水率55〜60%が目安。
乾燥している場合は散水、湿りすぎの場合は乾燥資材を追加

熟成期間
炭素資材が多いため、完全熟成まで半年以上は必要

フレコン内での切り返し(転がす作業)を行うと、酸素供給と材料の均一化ができ、発酵がさらに安定します。
米ぬかを少量追加すると発酵促進にもなります。

4. 熟成の確認ポイント

フレコンで半年以上静置した後は、堆肥が果樹園で安全に使える状態かどうかを確認する必要があります。

匂い:アンモニア臭や酸臭がなく、土のような香りになっている

色:黒褐色で均一

手触り:指でほぐれる程度で、落ち葉や菌床の原形がほとんどない

温度:外気温とほぼ同じ(発熱が残っていない)

もし匂いや原形が残っている場合は、さらに数週間熟成させるか、軽く切り返して再発酵させます。

5. リンゴ園での活用方法

完成したアルパカ堆肥は、自社リンゴ園に以下のように活用できます。

① 樹の株元周囲

・樹冠下に沿って環状に撒く

・量は樹齢や樹の大きさに応じて1本あたり10〜15kg

・表土に軽く混ぜるだけで根圏に微生物が入り、土壌改良効果が得られる

② 新植木の植え付け穴

・穴底に少量(1〜2kg程度)を置き、軽く土をかぶせる

・直接根に触れさせると発酵熱で根を傷める可能性があるため注意

・植え付け後に灌水すると微生物が活性化し、初期生育を助ける

③ 長期的な土壌改善

・繊維質が多く、団粒構造を改善

・微生物多様性を向上させ、病害抑制につながる

・発酵によって徐々に養分が放出され、樹勢が安定


6. 多様な微生物の相乗効果

アルパカ堆肥に酵母菌・納豆菌・光合成細菌を入れることで、堆肥は単なる有機物補給だけでなく、土壌生態系を活性化する資材になります。

根圏微生物が活性化 → 病害抑制・根張り促進

有機酸やビタミン生成 → 肥効向上

土壌団粒化 → 水はけと保水性がバランスよく改善

この組み合わせは、通常の牛ふんや鶏ふん堆肥では得られにくい「発酵の深み」と「微生物多様性」を提供します。


7. まとめ

アルパカ堆肥は、単なる有機肥料ではなく、微生物資材を含む土壌改良材として果樹栽培に非常に適しています。
フレコンバッグで長期熟成させることで、大量管理が可能であり、株元や植え付け穴に安全に投入できます。

当農園では、アルパカ糞・しいたけ廃菌床・落ち葉・米ぬかに加え、酵母菌・納豆菌・光合成細菌を投入することで、堆肥の発酵を促進し、リンゴ園の土壌微生物相を豊かにしています。
これにより、土壌団粒化・病害抑制・樹勢安定が実現され、果樹の生育環境が大幅に改善されます。

循環型農業の観点からも、アルパカ糞→堆肥化→リンゴ園に還元→収穫→さらに堆肥化というサイクルは、持続可能な農業モデルとして非常に有効です。
今後もこの方法を活用することで、リンゴ園の土壌品質向上と収量・品質の安定化が期待できます。

今後は「アルパカりんご」として、販売していこうかなと考えています。


1. お客様にとってのメリット
(1) 安心・安全な食品

無農薬・低農薬に近い栽培が可能
アルパカ堆肥を使うことで、化学肥料に頼らず自然な土作りができる

土壌由来の微生物が豊富
健康な土から育ったリンゴは、病害リスクも低く安心

→ 消費者が求める「安全・健康な果物」としてアピール可能

(2) 美味しさの向上

有機物や微生物が土を豊かにすることで

根張りが良く、樹勢が安定

栄養の吸収バランスが良くなる

甘み・旨味・香りの向上につながる

→ 「普通のリンゴより甘い、風味豊か」と味で選ぶ理由になる

(3) 自然・循環型農業のストーリー

アルパカ糞 → 堆肥化 → リンゴ園に還元 → 収穫 → また循環

環境にやさしい農法、持続可能な循環型農業の取り組み

→ SDGsや環境意識の高い消費者に訴求できる

(4) ユニークさ・話題性

「アルパカ堆肥で育ったリンゴ」というストーリー自体が珍しい

ギフトや話題作り、SNS拡散にも適している

→ お土産・贈答用としての価値が上がる

「アルパカりんご」〜アルパカ堆肥で育った、自然の恵みたっぷりのリンゴ〜

アップルアートのリンゴの畑は、立科のALPACAFEで会えるアルパカが見守っているのをご存知ですか?
「アルパカりんご」は、アルパカの堆肥で育った特別なリンゴ。
自然の循環の中で育まれたリンゴは、甘み・旨味・香りがぎゅっと詰まっています。

背景・ストーリー

アルパカの糞は、ただの肥料ではありません。
微生物が豊富で分解されやすく、リンゴの根を健康に保つ自然のサプリ。
当農園では、アルパカ堆肥にしいたけ菌床や落ち葉、米ぬか、酵母菌や納豆菌、光合成細菌を加えてじっくり熟成。
これにより土壌がふかふかになり、根張りが安定。樹勢が良くなることで、味も栄養価も自然に高まります。

お客様に届くメリット

安全・安心:化学肥料に頼らず、微生物豊富な土壌で育成

美味しさ:甘み・旨味・香りが濃厚、普通のリンゴとはひと味違う

環境にやさしい:アルパカ堆肥の循環型農業で、自然に優しい選択

話題性・ギフトにも最適:珍しい栽培法とストーリーで、贈答用にもぴったり

2026年は「アルパカりんご」を提供できる予定です!


美味散歩(bimisanpo.com)
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私たちアップルアートも、信州の果実を通して“地域の味わいを届けたい”という想いを持っています。
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