リンゴは、コーヒーになれるのか。答えが出るまでの話。

「1000個!?アップルコーヒーが?」

隣でスマホを見ていた妻が、思わず声をあげた。
画面には、「2ヶ月で1000個売れています。追加発注したいのですが」というメッセージ。

嬉しさと同時に、私は反射的にこう考えてしまった。
(追加発注……どう回す?)

そんな自分に苦笑しながら、まずはこう言い直す。
「ありがたいね」

すべての始まりは、一本の依頼だった。


2024年春。
長野県立科町でリンゴ農園「アップルアート」を営む中谷さんから声がかかった。

「リンゴとコーヒーで、新しい商品を作れませんか?」

私は「標高800コーヒー」として、佐久市の森の中で自家焙煎をしている。
もともとは神戸の化学メーカーで、妻とともに20年以上、研究開発に携わってきた。

移住をきっかけにコーヒーの世界に入った、いわば“異業種の新人”。
ただし、「ゼロから考えること」に関しては慣れている。

だからこそ、この依頼にはワクワクした。


しかし、調べてみると奇妙な事実に気づく。

「リンゴ×コーヒー」は、ほとんど存在しない。

実際に試してみて、その理由はすぐに分かった。

リンゴの香りは、弱くて繊細すぎる。

コーヒーの苦味やコクに、簡単に消されてしまうのだ。

焙煎前の豆にリンゴ成分を移す方法。
焙煎後に染み込ませる方法。

どちらも試したが、結果は厳しかった。
リンゴの風味はほぼ消え、味としても成立しない。

さらに調べるほど、追い打ちをかけるような事実が出てくる。

・リンゴの香りは熱で壊れやすい
・濃縮が難しい
・強い香りは人工香料であることが多い

正直に言えば、途中でこう考えた。

「健康価値で押せばいいのではないか」

搾りかすの有効活用。
食物繊維やポリフェノール。

確かに価値はある。だが、どこか逃げている気もしていた。


そんな時、昔出会った大阪の商人の言葉を思い出す。

「ええこと書いてもな、一番大事なんは“うまいかどうか”や」

その一言で、覚悟が決まった。

“普通”ではダメだ。


方向性を大きく変えた。

リンゴを主役にするのではなく、
コーヒー側を“リンゴに寄り添わせる”ことにした。

選んだのは、フルーティーな香りを持つ「エチオピア・ゲイシャ」。
華やかでありながら、リンゴの風味とぶつからない。

焙煎も見直した。
浅煎り〜中浅煎りで、酸味と甘みを引き出す。

さらに、通常の2〜5倍の時間をかけ、低温でじっくり焙煎。
雑味を減らすため、挽いた後に微粉をふるいで取り除く。

歩留まりは落ちる。コストも上がる。
それでも、味を優先した。


そして、リンゴ。

残渣を低温で乾燥させることで、香りを保つことに成功した。
その過程で発生する香りを、コーヒー豆やパックに移す。

さらに、乾燥リンゴを少量ブレンド。

こうして、ようやく
「リンゴとコーヒーが共存する状態」にたどり着いた。


完成した一杯を、妻に出した。

「いいと思う」

その一言に、少しだけ肩の力が抜ける。

「でも、もう少しリンゴ感あってもいいかもね」

そう言われて、お湯を少し足してみた。

すると、不思議なことに
リンゴの香りがふわっと前に出てきた。

この瞬間、確信した。

これはただの飲み物ではなく、
“体験”になる。


こうして完成したアップルコーヒーは、
想像を超える形で広がっていった。

そして冒頭の「1000個」という数字につながる。


現在は、使用するリンゴの品種も進化している。

1年目は「シナノスイート」。
2年目は「ぐんま名月」、「サンふじ」。

甘さや酸味の違いが、そのまま味の個性になる。

いずれは、品種ごとの飲み比べも実現したいと考えている。


アップルコーヒーは、まだ完成形ではない。

研究者として、そして作り手として、
これからも改良は続いていく。

ただ一つ言えるのは、

これは“ありそうでなかった味”ではなく、
“考え抜いたから生まれた味”であるということ。


ぜひ一度、体験してみてください。

最初はコーヒー。
少しずつ、リンゴへ。

一杯の中で変わっていく、その瞬間を。

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・10月19日(日)
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銀座NAGANO(東京都中央区銀座5-6-5 NOCOビル1F)

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