果樹栽培では、土壌微生物の力を活用することで、樹勢の安定、根張り促進、病害抑制、果実品質向上など、多くのメリットがあります。
市販の有用菌資材もありますが、自家製の微生物資材を作ることでコストを抑え、必要なタイミングで使うことが可能です。
ここでは、果樹向けに自家製の微生物資材を作る方法や活用法を詳しく解説します。
1. 微生物資材とは?
微生物資材とは、有用菌(好気性菌・嫌気性菌)を培養・増殖させた資材のことです。
主に以下の効果があります。
- 土壌中の有機物分解促進
- 根圏環境の改善
- 土壌病害の抑制
- 栄養循環の効率化
- 果樹の樹勢安定と果実の品質向上
代表的な微生物には、以下のものがあります。
- 好気性菌:バチルス菌、放線菌、トリコデルマ菌
- 嫌気性菌・通性嫌気性菌:乳酸菌、酵母、光合成細菌、EM菌
これらを活用して、果樹園向けの自家製資材を作ることが可能です。
2. 微生物資材の基本的な作り方
微生物資材は、原料・栄養源・水分・培養条件を工夫することで、自宅や果樹園でも簡単に作ることができます。
2-1. 必要な材料
- 有用菌の種菌
- 市販のEM菌、バチルス菌、トリコデルマ菌など
- 発酵済み堆肥や市販のボカシ肥も種菌として利用可能
- 栄養源(有機物)
- 米ぬか、糖蜜、モミガラ、落ち葉、堆肥、果物くずなど
- 菌の種類に応じて炭素源・窒素源を組み合わせる
- 水
- 水道水でも可。ただし塩素濃度が高い場合は1日置きして塩素を抜く
- 容器・道具
- プラスチック容器やバケツ、ふた付きの発酵容器
- かき混ぜ用の木べら
2-2. 基本的な作り方の手順
(1) 原料の混合
- 米ぬか1kg、糖蜜100g、水2Lを容器に入れる
- 市販EM菌や種菌を加える(EM原液50〜100ml)
- 均一に混ぜる
(2) 発酵
- 容器にラップやふたをして、直射日光を避けた室温で保管
- 毎日かき混ぜて酸素を供給(好気性菌の場合)
- 3〜7日で発酵完了(温度が30〜40℃程度に上昇して香ばしい匂いになる)
(3) 保存
- 発酵完了後は涼しい場所で保管
- 1〜2週間以内に使い切るのが理想
- 長期保存する場合は乾燥して粉末化しておく
2-3. 資材の種類と作り方のポイント
| 資材名 | 主な菌種 | 原料例 | 作り方のポイント | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| ボカシ肥 | 乳酸菌、酵母、光合成細菌 | 米ぬか、糖蜜、水、EM菌 | 好気性発酵、毎日かき混ぜる | 根圏活性化、土壌改良、病害抑制 |
| トリコデルマ培養液 | トリコデルマ菌 | コーンミール、米ぬか、水 | 容器で発酵、適度な酸素供給 | 根腐病・白紋羽病予防 |
| バチルス菌資材 | バチルス属菌 | 米ぬか、糖蜜、水 | 好気性培養、温度管理 | 根張り促進、病害抑制 |
| 放線菌堆肥 | 放線菌 | 落葉、剪定枝、米ぬか | 冬期堆肥化で自然発酵 | 有機物分解、腐植形成、病害抑制 |
3. 微生物資材の施用方法
微生物資材は、果樹の種類や生育段階に応じて施用方法を変えると効果的です。
3-1. 土壌改良・冬期堆肥作り
- 放線菌や乳酸菌入り堆肥を株元や畝に施用
- 土壌有機物を分解し、春の根張りに備える
3-2. 春先・芽吹き前
- トリコデルマ菌やバチルス菌の発酵液を土壌に混和
- 根腐病や病害予防、根の活性化に効果
3-3. 生育期
- 光合成細菌や乳酸菌を希釈(10〜50倍程度)して潅水や葉面散布
- 根の活性化、葉色改善、果実の糖度向上に寄与
3-4. 落葉・剪定枝の分解
- 放線菌入り堆肥で剪定枝や落葉を発酵
- 土壌に戻すことで団粒構造形成・腐植増加
4. 微生物資材活用の注意点
- 衛生管理
- 雑菌が混入しないよう清潔な容器と道具を使用
- 温度管理
- 発酵中の温度が低すぎると発酵が進まない
- 高すぎると菌が死滅する(30〜40℃が目安)
- 施用タイミング
- 冬期:土づくり・堆肥作り
- 春先:根圏活性化・病害予防
- 生育期:樹勢維持・果実品質向上
- 保存期間
- 発酵資材は1〜2週間以内に使い切る
5. まとめ
果樹栽培での微生物資材の活用は、樹勢の安定や果実の品質向上に直結します。自家製資材を作ることで、必要なタイミングで使え、コストも抑えられます。
- 好気性菌:バチルス菌、放線菌、トリコデルマ菌 → 根張り促進・病害抑制
- 嫌気性菌・通性嫌気性菌:乳酸菌、酵母、光合成細菌 → 発酵・腐敗防止・樹勢安定
果樹園では、冬期の堆肥作り、春先の根圏活性化、生育期の潅水・葉面散布など、有用菌資材を用途に応じて活用することで、健康な果樹と高品質な果実の安定生産が可能になります。
自家製の微生物資材を上手に作り、果樹園の土壌環境を整え、樹木と果実の健康を守りましょう。
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